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高齢者の賃金設計モデルと人件費削減効果

 

 高齢者個々人の就労ニーズや収入面の希望を良く理解し、納得のいく処遇を提供しながら、高年齢雇用継続給付金や在職者老齢年金等の公的給付を組み合わせることで、会社の経費削減も実現する効率的な賃金設計を行うことが出来ます。

 

ではどの程度の人件費の効率化が図れるのかを代表的な数字を使ってシミュレーションしてみましょう。

 

▽設例


 60歳を迎えたある高齢者が正社員から準社員・嘱託となったと想定します。

  賃金を60歳前の40万円から、60%まで引き下げ24万円とした場合と70%の28万円とした場合の総収入(=60歳以降の賃金+在職老齢年金+高年齢雇用継続給付)を概算してみましょう。60歳になってもらえる厚生年金の金額は個人差があります。

本来もらえる老齢厚生年金の額が月10万円、15万円、20万円の場合についてシミュレーションすると以下のようになります。

 

60歳以降の収入=賃金+在職老齢年金+高年齢雇用継続給付
(カッコ内は60歳前賃金比)

 

年金月額

60歳以降の賃金

100,000円

150,000円

200,000円

240,000円 (60%)

331,600円 (82.9%)

356,600円 (89.1%)

381,600円 (95.4%)

280,000円 (70%)

337,847円 (84.4%)

362,847円 (90.0%)

387,847円 (97.0%)

※総収入金額は税・社会保険料控除前です。

 

 60歳以降の高齢者の賃金を以前の60〜70%に引き下げる高齢者の賃金制度を導入しても、高齢者本人の公的給付を含めた収入は個々人の年金受給額によりますが以前の80〜90%は維持することが十分見込めそうであることがお分かりいただけたと思います。

 

 実際にいろいろな数字を用いてシミュレーションをしてみますと、設例の前後の賃金額・年金額の組み合わせが、公的給付を最も効率的に活用する賃金設計モデルであることがわかります。

 

 実際の手取額計算には税・社会保険料を考慮した複雑なシミュレーションを行った上で従業員に正しく理解してもらうことが必要です。高齢者の賃金設計を実際に導入するにあたっては、制度設計の専門家によるコンサルティングが不可欠です。

 

▽大きな人件費負担削減効果

 

 設例の場合60歳以降の高齢者の収入を相応に維持しながら、会社の人件費負担は高齢者一人について賃金だけで年間30〜40%の費用削減が達成できています。

 公的給付を活用して大きな経営効率化が実現しています。実際にはこれに加えて、シミュレーションには含めていませんが、賃金を下げると社会保険料も削減できるというメリットも生じます。ここから生み出された資金は一部は本人の退職金とする他、どう活かすかは経営者次第です。

 実際の賃金設計には複雑なシミュレーションが必要になります。 高齢者の賃金設計を実際に導入するにあたっては、従業員の理解を得るための制度説明も含めた専門家によるコンサルティングが不可欠です。

 

 

 

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